ホメオスタシス
「人は不安定だからこそ安定するのである」 このような一見矛盾するような表現が、命を支えるしくみ「ホメオスタシス」を説明するときに使われます。一つにはその生体を取り囲む環境が不安定に変化するのに対し、生体が安定を求めて進化して生き残ってきたこ…
人の体はゆらゆらと揺れています。時々不安定になりながらもゆらゆらと揺れながら、またバランスの良いところに戻ろうとします。 今より便利ではない時代野山を駆けずり回って遊び、大人になってからも体を使って暮らしてきた人たちは、体がバランスをくずし…
人のからだは常に揺らぎながらも体内の水分や塩分、糖分の濃度や量、あるいは体温や血圧を「ある範囲内」に保っており、その範囲を外れなければ命が危険な状態に陥ることはありません。これをホメオスタシス(恒常性)といい、このしくみが備わっているため…
治療家は健康になる手助けをするだけで、健康を目指し生き生きとした暮らしを手に入れるのはその人自身です。なぜなら、体には自分で健康を維持するための命のしくみが備わっているからです。私が、ただ痛みから逃れられればいいという対処療法ではなく、根…
内臓や血管などの働きをコントロールしている自律神経は交感神経と副交感神経に分けられます。交感神経は起きているときや緊張しているときに働き、副交感神経は寝ているときやリラックスしているときに働くのが特徴です。よく交感神経を車のアクセル、副交…
人間の身体は、一つのユニットである。 これは、オステオパシーと内臓調整療法に共通する原則です。しかし当院に訪れる方のお話を聞くと、医療機関で行われている治療は局所的な治療、また単器官への治療法が主体になっているように思います。 例えば、膝が…
夏休みが終わり、子ども達が学校へ通っていきます。寒さの厳しい高山村では夏休みが短く、冬休みが長いのです。刺すような日差しも和らぎ、すっかり肌寒い朝になりました。 人がホメオスタシスを保つための働きの一つに体温調節があります。体温を一定に保つ…
人は触れ合っていてこそ生きられるのだと常々思います。そして触れ合いは刺激となって体の中に伝わりホルモンを分泌させ、そのホルモンを使って体の中では器官と器官のコミュニケーションが始まります。ある器官がホルモンを使って別な器官と連絡を取り合っ…
人の体には約260もの関節が存在します。それらが連動して動き、その時一番バランスの良い姿勢を作ります。では、一つ一つの関節はその時のバランスに合わせてどう変化しているのでしょうか。 おなかと膝の関節の関係で説明しますね。関節には最もしまって安…
突然襲う頭痛やめまい。そして、それにともない強い不安が襲う。何か自分がこわれてしまったかと心配になります。しかしそれらの症状は、自律神経や血液の流れなど、おなかのバランスがくずれてしまったために起きることがほとんどです。 自律神経には活動時…
今日から新しい時代が始まります。そして暖かい日と肌寒い日を繰り返しながら、高山村の山々は少しづつ新緑を深めています。人々の生活環境は常に変化しているのです。その変化に対し人間は、体の中の環境をゆらぎながらもある一定の範囲に保って生きていま…
ヒトが生きていくためには、体内にあるたくさんの器官(臓器)が、互いに協調しあってその役割を果たしていく必要があります。それぞれの器官が自律的に活動することも可能ですが、それらは単独で働くのではなく常に器官から器官へ、細胞から細胞へと情報を…