おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

神経伝達とホルモンによる伝達

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ヒトが生きていくためには、体内にあるたくさんの器官(臓器)が、互いに協調しあってその役割を果たしていく必要があります。
それぞれの器官が自律的に活動することも可能ですが、それらは単独で働くのではなく常に器官から器官へ、細胞から細胞へと情報を伝達し、協調性をもって働き生命を維持しているのです。

そのための情報伝達のシステムには二つの方法があります。
みなさんが意識しやすいのは神経の電気信号による伝達です。
運動神経により筋肉を動かしたり、手で触れた感触を知覚神経を通して脳に伝えたり、我々内臓調整療法師が大切にする無意識のうちに内臓のバランスをコントロールしている自律神経の働きもあります。
そしてこの神経の働きに問題が起きたときには、痛みやしびれ、うまくからだが動かせないなどの症状で知らせてくれます。
自律神経の場合は少しわかりにくいですが、内臓の不調も筋肉や皮膚を通して関連痛として教えてくれます。
神経伝達に比べて意識しずらいのがもう一つのシステム、血中物質を利用した伝達です。
そしてその代表的なのがホルモンの内分泌によるものです。

神経性の伝達は、例えば、意識するのとほぼ同時に筋肉を収縮させることが可能なように

  • 伝達速度が速く
  • 作用の時間は短く
  • 接続された細胞のみに伝わる

という特徴を持ちます。
例えるなら、電話ですばやく手短に伝えるようなイメージです。
電話の声はすぐに消えて、電話の相手は一人です。

一方でホルモンによる伝達の特徴は

  • 伝達速度は比較的ゆっくりで
  • 作用の持続時間は長く
  • 複数の対象に同時に作用できる

ことです。
こちらを例えるなら、ビラを配ってじっくりと伝えるイメージです。
電話と違ってゆっくりですが、いっぺんに多くの人に送ることができます。

神経性の伝達と内分泌系の伝達はそれぞれの特徴を持ちますが、中枢神経の一部である視床下部は内分泌系を調節する機能を持ちながら、さらに、精神的要因や体内、外界からの信号の影響を受けています。
つまり、両者は独立したものではなく、命を支えるため互いに補い合う関係なのです。

我々内臓調整療法師は自律神経の働きを強めたり、鎮めたりという調整の他に、血液の流れを意識して、そのバランスをとることによりホルモンによる伝達を整える調整をします。
この調整は、ホルモンの伝達はゆっくりと行われるように、少し気長に整えていかなければなりません。
やはり栄養や休養など暮らしからのアプローチも大切です。
これからもホルモンについて、ゆっくり、ゆっくりお伝えしていきますね。

それでは、次回更新は4月23日(金)です。お楽しみに。

naizotyosei.info