おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

関節と自律神経

f:id:naizotyosei:20190622230738j:plain

人の体には約260もの関節が存在します。
それらが連動して動き、その時一番バランスの良い姿勢を作ります。
では、一つ一つの関節はその時のバランスに合わせてどう変化しているのでしょうか。

おなかと膝の関節の関係で説明しますね。
関節には最もしまって安定した状態があります。
膝の場合は最大伸展位といって、伸ばしきった状態です。
試しにおなかを膨らませるように息を吸ってみてください。
自然に脚を伸ばすような力が入りませんか?そして膝の関節がグッとはまるような感覚が起きると思います。
反対に最もゆるんで不安定な状態は半屈曲位といって、軽く曲げた状態です。
先ほどの息を吸って膝が伸びた状態から、今度は息を吐きおなかを凹ませ、軽く膝を曲げてみてください。
膝の関節がフッとゆるみ、自然と軽く内側に入るように動くと思います。
そして、関節が緩んでくると不安定になるので、自然と関節を支えるように筋肉に力が入ってきます。
このようにおなかの状態によって関節は伸びたり曲がったり、安定したり不安定になったりしているのです。
そして関節が安定しているときは筋肉はゆるみ、関節が不安定なときは筋肉は働いて関節を支えようとします。
その時の体調により、自律神経が感覚神経や運動神経と連動して姿勢を作っているのです。

一方で、局所の関節の状態も体全体に影響を及ぼしています。
膝などの関節は滑膜関節と呼ばれ、関節包という膜によって覆われて、その中は血管に富み、滑液という関節が滑らかに動くための液を分泌しています。
関節が正常な可動域の範囲で動いていれば滑液の状態は安定しますが、関節が可動域を超えて動いてしまうと滑液の状態は安定しません。
さらに無理をすれば関節包の中が炎症を起こして腫れてしまいます。
これが膝に水が溜まった状態です。
このように関節の隙間の滑液の状態が安定していないと、それが体全体の自律神経のバランスを崩すことがあります。

全体が局所に影響し、局所が全体に影響する。
このサイクルが安定していることが大事なんですね。

naizotyosei.info