おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

揺れながら戻るところ

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人の体はゆらゆらと揺れています。時々不安定になりながらもゆらゆらと揺れながら、またバランスの良いところに戻ろうとします。

今より便利ではない時代野山を駆けずり回って遊び、大人になってからも体を使って暮らしてきた人たちは、体がバランスをくずし思うように動かせなくなっても、てあてをしてバランスをとってあげるとまた体が勝手にもとの元気なバランスに戻ろうとします。体がそのバランスを覚えているのです。それが命が持っているホメオスタシスという働きです。

しかし、中には戻るところがわからずに不安定なところから抜け出せなくなってしまった人もいます。例えば痛みを薬で抑えてばかりいる人です。炎症やそれに伴う発熱や痛みは体を修復するための自然治癒力のひとつです。それにより代謝を促進して傷ついた組織を修復します。正常に経過していれば体を休ませて治るのを待てばよいのですが、「体を休めて待つように」という痛みのメッセージをお薬で抑えてばかりいると、最後には体が自分で治そうとするのをあきらめてしまいます。傷ついたところを治しバランスを保とうとするよりも、体は不安定なところにとどまって周りの環境を変えてバランスを保とうとするのです。より薬に依存したり、とことん周りに優しくしてもらえないと苦しくなってしまいます。不安定なままでいることがその人の安定になってしまうのです。

どこに戻るかはその人しだいです。私が決めることではありません。ですから勝美内蔵調整療法院に来てくださる方には、自分でどこに戻りたいのかイメージしてもらっています。そのほうが私もお手伝いしやすいからです。

もちろんよくわからない人は一緒に考えますよ。お邪魔でなければ。

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