おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

くつろぎの姿勢

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人はおなかに何か異変が起こった時、異変の起こったところをかばって、今一番楽な姿勢をとろうとします。例えば、何らかの理由により静脈の流れが滞り、どこかにうっ血(静脈の血が異常に多くたまった状態)が起こると、筋肉がうっ血した部分に十分な空間を保とうと働きます。典型的なのが、食べ過ぎで胃腸などの消化器の動きが悪くなり、パンパンに張ってしまった状態です。そんな時はのけ反ってお腹を伸ばしたくなりませんか。

一方で、ある臓器が痛みや異常収縮を伴うような病変を起こしたときには、その臓器をもっとしっかりと支えるようにしたり、緊張を緩和して痛みをやわらげるように筋肉が働きます。みなさんも急におなかが痛くなって、「痛たたたた」と、背中を丸めておなかを縮ませた経験が一度や二度はあると思います。

これらの姿勢を我々内臓調整療法師はくつろぎの姿勢と呼び、その人が無意識にとっている姿勢を観ただけで、ある程度からだの中にどんな問題が起きているのか読み取ることができます。それは病変とまでいかなくても、みんな少なからずかばっているところがあるので、生まれつき持っている体質やそのときの体調がわかるのです。

くつろぎの姿勢はからだを楽にしてくれるので一時的には良いことなのですが、楽だからといってその姿勢をとり続けると色々と問題が起こってきます。よくある話で、右の腰が痛かったのをかばって歩いていたら、今度は左の腰が痛くなってしまったなんていうことがあります。一時しのぎで済まさずに、ちゃんと右の腰が痛くなった原因を見つけ、取り除かなければなりません。くつろぎの姿勢も長期にわたると関節の障害や骨の変形を起こしてしまいます。

皆さんも足を組んだり、ほおづえをつくなど無意識にとっている姿勢がありませんか。それはどこかが疲れているサインかもしれませんよ。

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