おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

柴犬モモちゃんと三羽ガラス

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春本番になり目に見えて日の出が早くなると、我が家の朝はどんどん忙しくなります。冬に凍みた庭を整えたり、小さな畑の春植えの準備をしたり、また一から冬の薪を準備したり、やることいっぱいです。そんなときいつも決まった時間に、朝の散歩を終えてくつろいでいる我が家の犬たちがけたたましく吠え出します。柴犬モモちゃんがいつもの散歩時間にやって来たのです。我が家の若造犬に比べモモちゃんはリードを引くおじさんと同じくらい歳を取り、いくら吠えられようがゆったりのんびり落ち着いて歩いていきます。

我が家の犬たちがけたたましく吠えるのには他にも訳があります。いつもいつもおじさんとモモちゃんの後ろを三羽のカラスがついて来るのです。私も初めこの光景を見たときには偶然だろうと思ったのですが、そのおじさんの話によると偶然ではないようです。三羽ガラスは親子で、子ガラスはモモちゃんのエサをお裾分けしてもらって育ったらしいのです。毎日毎日モモちゃんの家に親ガラスはやって来て、少しずつモモちゃんのエサをもらっては子ガラスのところに運んでいったそうです。エサを取りに来る親ガラスに、モモちゃんは吠えることもなくいつものようにのんびり振る舞い、それからカラスの親子はモモちゃんがおじさんと一緒に散歩に出かけると、必ず一緒に後ろをついて来るようになったそうです。

忙しぶってバタバタしている我が家の前を通り過ぎる柴犬モモちゃんと三羽ガラス。なんだかその風景だけゆっくりと流れています。

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