おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

体の硬い子どもが増えています

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今週は運動とおなかの関係をお話ししていますが、運動以前に正座で座れないというお子さんの相談を受けることがあります。
よく高齢者には膝が痛くて正座ができないという方がいますが、成長期のお子さんにもこの悩みを持つ子がいるのです。

こんなお子さんを観させていただくと、膝関節に関係する筋肉が非常に硬く、関節を曲げるのが難しくなっています。
そしてやはり、おなかの緊張が強い子ばかりです。
おなかの臓器に緊張があると、そこをかばう形で腰に歪みが起きます。
腰椎からはお尻や脚の筋肉を動かす運動神経が出ているため、腰椎に曲がりが起きると膝周りの筋肉にも継続的な緊張が起きるのです。

ある症状から長期的投薬治療を続けているお子さんの腰部レントゲン画像を見せてもらったことがあります。
成長期にしてすでに、脊椎管狭窄症のように背骨を支える靭帯が脊髄神経の圧迫を起こしているように見えました。
このような状態だと脚の裏側の坐骨神経の領域にまで強い拘縮や痛みが起こることがあります。
高齢者にはこのような腰椎の状態の人が多くいますが、成長期の子どもでもこのような腰になっているのかとびっくりしました。
おなかの緊張が強いため、腰椎をまっすぐに保つことができずに靭帯が緩んでしまっているのです。
放っておけば靭帯は肥厚して硬くなってしまいます。
それにこのような箇所には骨の変形が起きやすいのです。

幸いこの子の場合は、投薬を必要とする症状も治まりつつあり、近いうちにドクターの指示で薬がやめられそうです。
それまで、薬の副作用による肝臓の緊張を和らげたり、体の歪みをリセットする調整を続けることになっています。
実際に靭帯の変性や、骨の変形がどのように進むかは想像するしかありませんが、やれるだけのことをやるしかありません。
我々の役目は重大です。

正座ができなかったお子さんが、一度腰椎を調整しただけでその場でできるようになったこともあります。
その時のその子の嬉しそうな顔は今でも覚えています。
クラスで自分ひとりできなかった正座ができたのですから、本当に嬉しかったそうです。

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