おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

アカ アオ キイロ

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最近凪は「キイロ」と言えるようになりました。ひとつの言葉を覚えるとこんなにも世界は広がるのかと、黄色いものを見つけると嬉しそうに「キイロ」と指さします。

ものと色、形がつながり、それを言葉に表現して、指を差し伝える。大人が当たり前にやっていることが、小さな子どもからは大きな世界の広がりとして、溢れんばかりの喜びと共に表現されているのです。

上古代の日本語は単一的なその言葉の意味を伝えているだけではなく、光や空間、そしてその奥につながる世界など、多くのことを一度に表していたそうです。凪が「キイロ」より先に言えるようになった「アカ」や「アオ」は色としての赤や青を表しているだけではなく、アカは明るい、アオは暗いを表していて、生まれたばかりは「アカチャン」と表現されても、成長期には未熟であることを「アオイ」と表現したりします。それは認識としての色彩を表しているのではなく光と空間のバランスを表現し、エネルギーの量や方向を表しているのです。つまり、子どもがおなかから感受性で捉えているものを表現した言葉は、現代社会の中で大人が意識でコントロールして表現している言葉より、上古代の日本人や動物たちのコミュニケーションに近いのだと思います。

ただ凪に白いものを指差して「これは?」聞いても、「ニャンニャン(我が家にはシロという名の猫がいます)」、黒いものを指差して「これは?」と聞いても「ワンワン(我が家にはクロという名の犬がいます)」と答えます。そして「白じゃない」「黒じゃない」と聞き直しても、頑として首を横に振り「ジェジェ(凪が違うを表現する言葉)」と言い張ります。これはこれで人間の面白いところですね。