おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

段々とつながっていく

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このところ色んな分野のスペシャリストの方々と対談させてもらっています。私には分からないことも人の手に委ねることによって、それまでまとまりがつかず混沌としていたものが急に整い出すことがあります。そんなつながりを活かすのも私の役割です。昨夜も子どもの歯並びについて熱心に発信されている歯科医師の先生と対談させていただき、歯並びと身体のバランスについての考察を深めてみました。

当然人の身体は頭やおなかが独立して存在しているわけではなく、色々と情報を交換する中で連動して動いています。食べ物を噛んだり飲み込んだりする機能も胃や腸で消化し栄養として吸収する機能と繋がりを保ち、口だけが動いているかのように見えても全身と連動して動いているのです。

しかし、全身を使って畑を耕したり狩をして食べ物を獲得し、口にして噛み砕き栄養にして、また全身を使って日々暮らしていた時代と違い、現代ではあまり動かず座って思考だけフル回転して生活している人が増えています。そんな生活の中では気づかないうちに全身で連動して動いていたつながりが途切れ、ある一部分が力なく緩んでしまったために他のところがそこをかばうようにアクセルを踏んで、動き過ぎて緊張してしまうようになるのです。

そして、あまりにバランスを失ってしまった身体はいずれつらい症状としてメッセージを発信し始めます。それでもそのメッセージに耳を傾け今の暮らしに合わせて習慣を整えてあげれば、身体はまたつながりを持って動き始めます。

子どもの場合は少し違って、そもそも初めから不安定なのです。子どもはお母さんとへその緒でつながって産まれ、初めのうちは消化吸収するおなかの機能が中心の副交感神経優位で育ち、先ずは身体を作り上げることを優先にします。それに対し食事を摂り胃に運ぶまでは交感神経が中心となる働きで、力強く全身を使い食事を手に入れる活動と同じなのです。ですから初めはその能力はお母さんに頼り、成長に伴い段々と力強く備わっていくのです。

このように自律神経は副交感神経から交感神経へと成長の過程に合わせ順番に育ち、更年期と言われる頃には副交感神経は働きにくくなり、思考や循環に頼りがちな交感神経が興奮的に働き出します。ですからおなかや感受性中心の子どもに対して、大人はおなかで考えるより思考に偏りがちになります。

子どもを見守る時には、今の自分の思考に当てはめるのではなく、少し昔を思い出して感じ取ってあげてください。