おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

身体の冬支度

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今日は霜降(そうこう)。

秋の季節最後の節気で、一気に晩秋の気配が漂い始める頃と言われています。高山村はつい最近まで秋とは思えないような暑い日が続いていましたが、今週に入って急に冷たい風が吹き始めました。木々も葉を落とし、冬が近いことを感じさせます。

昔はこの頃に、冬支度のための炉開き、薪積み、漬物の仕込みなど雑務に追われたそうです。我が家でも本格的に一日中薪ストーブを燃やすようになり、一杯に詰め込んだ薪棚に隙間ができると、またそこに切ったばかりの薪を積み足していきます。来年以降の薪を積んで乾かしておくのです。

こんな季節の変化に即した生活をしている人でなくても、私の治療院に訪れる方の身体にはちゃんと変化が現れてきます。例えば、過去に大きなけがをしたり、おなかを手術したことがある方は、季節の冷えとともに手術を受けた箇所が特に冷えて血流が落ちてしまいます。治療室に入ってきた時に「あれ、今日は姿勢が悪いな」なんて思うと、おなかの中もバランスが悪くゆがみが起きているのです。

でも心配し過ぎないでください。

人の身体とはそんなもの、季節の移ろいとはそんなものです。現代ほど冷暖房に頼っていなかった昔の暮らしでは、季節の移ろいを読み、色々な知恵を工夫して生きてきました。本格的な冬に向けておなかを冷やさないようにちょっと気をつけてみたり、身体を温める食べ物をとったり、代謝を上げて熱を作りやすいように心地よいぐらいの運動をしてみたり、身体の声に耳を傾け工夫して暮らしを整えて過ごしていたのです。

便利になり過ぎた現代生活の中でも、環境の変化に身体を馴染ませてあげるスローライフを意識してみるのもいいかもしれませんね。高山村の動物たちや草木もみんなけなげに冬の支度に勤しんでいます。もうすぐ冬ごもりを始めたり、夏鳥は暖かいところへと旅立っていきます。

2年ぐらい乾かした薪は本当に暖かく燃えてくれます。今朝も2年前に割った薪でストーブに火を点けました。本日もお部屋を暖かくして皆さんをお待ちしております。