おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

深い呼吸は全身を使う

f:id:naizotyosei:20210529071714j:plain

勝美内臓調整療法院の施術のほとんどは呼吸に合わせて行います。基礎代謝がしっかり保たれていれば、じっとしていても安定した呼吸が行われますが、内臓や姿勢のバランスが崩れてしまうと、何気ない動きの時も呼吸と動きが合っていなかったり、息を詰めて動き続けてしまったりします。それでは日常の暮らしの中でどんどん体は緊張していってしまいます。そうならないように内臓や姿勢を整えるとともに、バランスの良い呼吸も回復させるのです。

呼吸に大きく関わる横隔膜は、その下にある臓器の状態を常に感じ取って影響を受けています。例えばいつも食べ過ぎていて胃の動きが悪くなると、横隔膜の動きも悪くなってしまうのです。そしてうまく横隔膜を下げて息を吸えないため、無意識に肩を持ち上げて息を吸ってしまいます。そんな方は息を吸うことを意識し過ぎると、どんどん首や肩が緊張してしまうので、逆におなかをしっかり凹ませるぐらい息を吐くことを意識して、その後肩の力を抜いて息を吸ってもらいます。おなかを凹ませるぐらいしっかり息が吐ければ、力まなくても自然とおなかで呼吸ができるようになります。それにしっかりおなかで呼吸するには、息を吸ったときに腹筋が緩んで伸びなければいけません。これからやってくる夏の暑い日に冷たいものを取り過ぎていると、おなかは疲れて腹筋も伸ばせないぐらい硬くなってしまいます。そんなおなかでは深い呼吸はできません。

深い呼吸は全身を使うのです。もっと言えば皮膚も呼吸しているし、全身の細胞ひとつひとつが呼吸をしていると言っていいかもしれません。浅い呼吸だと体に必要な酸素が肺の下の方まで入っていかず、体で不要となった炭酸ガスを外へ出すことができなくなります。これでは肺の機能が低下してしまうし、全身の血液循環も悪くなってしまいます。人の細胞は酸素が届かなければ、3分もしないうちに死んでしまうそうです。しかし、あまりうまく呼吸をしようと考えすぎるとかえって呼吸がしづらくなってしまいます。先ずはうまく呼吸をしようと考えずに、ただ目を閉じて呼吸を味わってみてください。初めは自分の呼吸が浅いとか深いとかも考えずに、できるだけ呼吸の音だけに耳を傾け、吸う息の初めと終わり、そして吐く息の初めと終わりだけ意識してみるのです。

onaka-teate.jp