おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

十年一昔

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2021年、新しい年が始まりました。

十年前小さな村で私が始めた小さな治療院も、もうすぐ十年が経ちます。思えば十年前、私は生まれて初めて都会で暮らし、治療家としての修行をしていました。そこで東日本大震災を経験し、また群馬の小さな村に戻り開業したのです。とても小さな村なので「整体一つで食べていけるのか」と周りも心配したし、私も自信があったわけでもなく何ができるか分からなかったけど、大好きな田舎で自然や子どもたちに囲まれて暮らし、治療をしたいと思ったのです。あのときは大きな山桜の樹の下で、それよりずっと小さな治療院だったな。少し風が吹けば錆びたトタン屋根がバタバタと音を立てたっけ。懐かしい。

そして十年が経ち治療院はたくさんの人に応援してもらい、地元の大工さんにピカピカの治療院も建ててもらいました。しかし今、日本は再び苦しいときを迎えています。ウイルスも怖いけど、これを機に起こる社会の変化が田舎で暮らす人々に及ぼす影響も計り知れません。どんな時でも笑って穏やかに暮らしたいけど、そうもいかない人も出てくるでしょう。

十年前私は本当に何も分からなかった。見えそうな気がしていただけで、何も見えていなかった。今でも、何が分かって何が分からないのかも分かっていないけど、今は十年前に開けられなかったドアを開けられそうな気がする。ドアの先にはやっぱり何があるか分からないけど、十年前になかったちょとした勇気があるのさ、今は。

十年一昔、変わってないようで変わっている。笑って待ってるよみんな。宜しくね。また十年後振り返ってみるのが楽しみだ。

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