おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

家族

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妊娠8ヶ月ぐらいまでは何事もなく順調に過ごしてこられました。
周りがまさか妊娠してるとは気づかないぐらい、妻は毎日午後には普通にクロとダイコの散歩を一人でしていたのです。
もし妊娠に気づいた人がいれば止められたかもしれませんね。
何しろ8ヶ月にもなる妊婦さんが2匹の中型犬を連れて散歩してるのですから。
しかし、その時間は妻には大切な時間だったのです。
人の命はただただ問題のないように過ごしていれば燃やされるものではありません。
人に止められてでもやってみたいこと、大切なものと触れ合うこと、これらのことがもたらすものは絶大です。

それに、それまでのクロとダイコとの触れ合いの中で妻が培ってきたものがたくさんあります。
母犬のお乳を独占して生後2ヶ月を育ったクロはとにかくわがままで、初めは自分の思う通りにならないと吠えたり噛み付いたりしました。
小柄な妻はとても怖かったそうです。
それでも妻は、コミニケーションがうまくいかず泣きながらでもクロと向かい合いました。

屋久島の大自然の中で兄弟7匹のびのと育ったダイコは、クロと違って最初からしつけ一つしなくても私たちの言うことをよく聞いてくれました。
そんなダイコはまだ生後3ヶ月のとき、飛行機を2本も乗り継いで屋久島から羽田空港までやって来ました。
私たちは空港まで車で迎えに行き、貨物の受取所でケージに入って現れたダイコはブルブルと震えていました。
羽田から群馬までの車の中妻は、ずっと膝の上でダイコを優しく抱きかかえてあげていました。
何よりも家族が大好きな妻には、親兄弟と離れて屋久島を離れたダイコの気持ちが誰よりも分かったのでしょう。

それから毎日毎日、妻はクロとダイコとの日々を楽しく過ごしてきました。
そしてまた新しい家族が増えます。
きっと、クロとダイコも新しい家族を大切にしてくれるでしょう。

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