ある日、偶然のぞいたSNSの動画配信に高校時代の友人が出ていました。
動画はロサンゼルスから、彼はハリウッドで俳優をしているのです。
初め日本で俳優を目指していた彼は、将来俳優として生業を立たせるイメージが全く持てず、思い切ってアメリカへ活動の場を移しました。
そんな彼が熱く話していたのは、「今したいことは今した方がいい」、「今したいことは今するから意味がある」というお話でした。
よくあるアメリカンドリームの話にも聞こえますが、日本で健康にたずさわっている私にも、何か共感して響くものがありました。
私も治療の一場面でアドバイスをするとき、今の感覚の大切さを伝えています。
それは大きな夢でなくてもいいのです。
今、深く息を吸いたい
今、喉が渇いて水を飲みたい
今、気持ちよく体を伸ばしたい
そんな小さな感覚でいいのです。
その感覚を大切にして、出来るだけ早く実行する。
それを繰り返すことにより、体の中の反射が研ぎ澄まされて、自ずと健やかなほうへ向かっていきます。
またこんな方法もあります。
とにかく今に集中するのです。
家事で食器を洗ったり、掃除をしたり、または歩いたり、深呼吸をしたり、どんなときでもいいのです。
余計なことを考えずに、そのことに集中するのです。
現代生活は便利になり、情報も氾濫しているため、何も考えずに感覚に集中する時間がありません。
そのため思考に頼り、体の中のバランスをどうとればいいのか、いちいち考えなくてはわからなくなっています。
このようなお話は色々な分野で聞くことがあります。
教育に携わる別な友人は、現代の日本は「やってみたいことに対し、どれだけ夢中になれるか」という教育が行われていないため、自分で発想して動く人材が育っていないと問題にしていました。
こんな風に話していくと、何か自由気ままに生きればいいという風に聞こえるかもしれませんが、どちらかというと必要以上に欲を出さない野生動物の世界をイメージしてみてください。
力強く、ときには残酷に見える野生動物も、生きていく最低限の食べ物を得れば無駄な殺生はしません。
反対に、豊かになり過ぎて今何を食べたらいいのかもわからなくなってしまうと、時には欲望が暴走してしまいます。
今を大切にして、しっかりと反射を起こして生きていれば、体はバランスをとり、そんな人が増えれば社会もバランスが保てるような気がします。
今日も、今を大切にする一日でありますように。