おなかにてあて

子どもに伝えるおなかのお話

はれものには触らない

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からだのどこかが腫れて痛みを感じる、こんな経験は誰にでもあると思います。

例えば、どこかに頭をぶつけてコブができる。
こんなとき2〜3日は腫れが引かず痛みが続きますが、そのあとは腫れが引き痛みが治まります。
からだのどこかを痛めたとき、そこに血液を集めて腫れや熱、痛みを起こし自然治癒力が働きます。
そのとき痛みは「さらに悪化しないようにからだを休めなさい。」と教えてくれます。

しかし、特にどこかをぶつけたり、ねじったりしたわけではないのに関節が痛んだり、背中が張るように痛むことがあります。
足首の場合全体にむくんだように腫れていたり、背中の場合大きく盛り上がるように膨らんでいます。
そして、触れられると嫌な感じがする。

他にこんなケースもあります。
当院で「友人を診てもらいたいのだけれども、人に触られるのを嫌がるんですよ。」と相談を受けることがあります。
その方は長年からだの不調を感じていて、あちこち治療に行ってみたのだけれども、まずからだに触れられるのが嫌なのだそうです。

このような症状は、前々回からお話ししている全身の血液の流れの中のどこかで、うまく血液が流れず滞っている可能性があります。
特に心臓や動脈のどこかに問題が起きると、問題のある箇所とは別のとこに腫れが起きることがあります。
血液の流れが悪いところではなくそこに流れ込む手前に腫れが起きるのです。
逆に流れの悪いところをかばうためにその先で血液の流れを抑え、血流がたまったような状態になることもあります。

これらの症状は起きているからだの問題をかばうために、無意識にバランスをとっていることがほとんどです。
なので、腫れて痛みを出している箇所よりは、その根本原因に目を向けなくてはなりません。

まれに、原因が明らかな動脈硬化だったり、動脈瘤や腫瘍であったりします。
我々は医師ではないので診断はしませんが
「ちょっとこれは…」と感じるときは医療機関の受診を勧めます。
それも我々の仕事です。

誰も痛いところには触れられたくないものです。
その方が受けとめられる心地よい刺激を入れられることが私の目指すところです。

それでは、次回更新は9月14日(金)です。お楽しみに。

naizotyosei.info